金 子 兜 太

                                 
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句会中の金子先生


 
 2010年3月7日(土)東京例会        TOP  BACK         
 
 東京例会のみ金子先生が出席します。

 参加希望者はここをクリツクして下さい。投句の詳細を掲載。

 句会の予定 6/26 7/17 8月は休み 9/18 10/30

 (コメントは管理人の聞き書きですので意に足らないところはお許しを)


  


 春の駅一人の声が馬鹿でかい    金子兜太   (高点句)
  
 
 参加者評→・面白い句
      ・実感があってあっさりとした書き方が良い
      ・気持ちの良い句
      ・よく見かける景で感激せず
       ・「春」が動くのでは
      ・ひねらない良さがあり
      ・春の開放感
      ・すっきりしていて「春の駅」が動かない。春の感応が書ききれている

 金子先生評→「春の駅」で世の中のちぐはぐ感が解る。この気分を解るひとが
       とれば良い。




 入選句 (良き表現は青至らぬ表現は赤)
 

 ふらここという空中都市に一人かな   斉木ギニ  (高点句)
 
 参加者評→・上五中七のフレーズに惹かれた。明るい淋しさと軽やかさ
      ・春の風を感じた
      ・「空中都市」が新鮮で人の世界が見える
      ・「一人」が予定調和
      ・読みとして空中で切るのと中七まで一気に読む方法とある。
       空中都市のファンタジーと読めるが取りきれなかった。一人が安易
      ・空中都市一発
      ・空中都市はマチュ・ピチュのような町とか、またビル群の公園とか
       言うのだろうが効いている。孤独感がよく出ている。
      ・中七がキザだが孤独感は出ている。
      ・句がありきたりで作り物めいている

 金子先生評→評が出尽くした。感心して取った。空中都市という映像に私は
       出会っていない。「一人」があるから生きている。幻想的な喩えが
       生きている。



 蜃気楼轍の先の温き家     鱸久子  (高点句)
 
 参加者評→・蜃気楼で回想の景と取った
      ・ノスタルジーと思った。「温き」が響き郷愁に流れていない
      ・ふんわりとした気分が好き
      ・この句を実の世界として読んだ
 
 金子先生評→過去とも現在の景とも読める。読み手がどう読んでもよい。
       私は過去として読み、蜃気楼俳句として新鮮、まともに回想の
       思いを書いている。




 鳥交るふすまが少し開いている 北上 正枝  (高点句)
 
 参加者評→・ふすまが開いているで幻想とも現実とも取れる
      ・「開いてる」でエロチックな世界の想像をかき立てる
      ・脚韻が効いていて不思議な空気感
      ・広がりのある句
      ・比喩的に書きすぎ
      ・狙いすぎ

 金子先生評→省略して空気感のようなものを感じた。すっとぼけていて
       妙な感触がある。ひょいと気紛れで出来た句なのでは。
       面白い。




 ゆきやなぎ夜は地底湖浮き上がる  村上友子  (高点句)

 参加者評→・幻想を感じた
      ・「夜」が幻想感を増している
      ・雪柳が上手
      ・地底湖は鍾乳洞の湖で雪柳と結びつかない
      ・地底湖では嵌りすぎ

 金子先生評→雪柳が働い地底湖の幻想が見えてきた。二物配合における季語の
       働きを見ること。



 内裏雛臨死体験より還る   佃悦夫

 金子先生評→二物配合に成功しなかなか上手。内裏雛が喩えられている。



 気紛れの姉の瞬き風花は   森 美樹
 
 金子先生評→少し危ない句。



 沈丁花一人すっきり逝きし父   伊藤 和

 金子先生評→素直にきれいに書けた



 ただ単に野梅咲くごと小さな拍手  伊藤淳子

 金子先生評→上五が辛気くさいが喩えは良し。少し説明くさい


 
 
約束はなかったことに野火走る   下山田禮子

 
金子先生評→野火の印象



 
秩父また猪(しし)来て倒す座禅草  柳生正名

 
金子先生評→青字の部分上手い



 冬薔薇デスマスクのようパックして  篠喜美子

 金子先生評→歌舞伎の隈取りのようだな。冬薔薇とよく合っている。



 亡妻(つま)を恋う私記のほとりに諸葛菜  遠藤秀子
 
 金子先生評→中七の捉え方が優しい



 ビル群に飽きてこの道涅槃西風   志摩京子
 
 金子先生評→淡泊な内容だが季語が良い



 毒舌やリハビリさぼる老師の冬   中村 翠

 金子先生評→季語良し



 雪降り積む手話の母の手の静けさ   赤崎裕一

 金子先生評→落ち着いた句、ある意味では毒にも薬にもならず。






 採っても良かった句(入選にあと一歩の句)


 逃水やか寄りかく寄る(こ)と狸
 金子先生評→逃げ水と下五の関係は面白いが下五を書き換える。

 
雛仕舞う鼓膜しずかに羽ばたくよ
  金子先生評→雛仕舞うと下が付きすぎ

 金沢へ十輌編成帰る雁
 金子先生評→下五が駄目

 降りるための階段もあり春三つ星
 金子先生評→下五が平凡

 白魚の言葉遊びのよう(すず)
 金子先生評→下五が説明

 桃の日のめつむる鳥につもる雪
 金子先生評→下五が平凡

 ものの芽や赤ん坊赤くて弾む鞠
 金子先生評→組み合わせはマークしたが「赤くて」と「ものの芽」は付きすぎ

 黒髪をはらりと解いて磯焚火
 金子先生評→下五が海女ならば当たり前

 初めての車椅子です里桜
 金子先生評→下五が平凡

 手の甲に蕗みそ舐める無頼なり
 金子先生評→下五をもっと飛躍する

 高階の歯医者は美脚春隣
 金子先生評→「美脚」が無理。春隣が効かず。






 話題作

  白木蓮顔撫でてゆく大きな手  (高点句)

 参加者評→・優しい句柄が良い。「撫でてゆく」に移ろいを感じる
      ・下五に魅力を感じた。「大きな手」は花びらの喩なのでは。
      ・空気感を呼ぶ句
      ・下五で外した
      ・自然の生が感じられ表現として膨らみがあるが中七下五が荒い
      ・中七下五は白木蓮の精または風とも取れるが、「撫でて」に実体が
       感じられない

 金子先生評→頂いてもよいと思った。白木蓮の風景の中の映像。
       中七下五に造化の世界を感じられなかった。「大きな手」に今ひとつ
       具体感が欲しい。



 たっぷりと索引があり春立つや  (高点句)

 参加者評→・「たっぷり」で季語とよく合う
      ・「たっぷり」が読み手を引きつける。気持ちのほどける感じ。
      「索引」を自分の事として予感して「春立つや」が効いている。

 金子先生評→少しも良いと思わない。季語が句を駄目にした。
       この句は読者が勝手に解釈して増幅している。



 雛の間を覗く少年鶴に似て    (高点句)

 参加者評→・「夕鶴」の話を思った。鶴がぴったり
      ・抒情
      ・下五がまったく駄目

 金子先生評→鶴の喩えは平凡で決まらず
 


 蛇穴を出る地球を廻しておりました  (高点句)

 参加者評→・俳諧味あり
      ・語感がエッチ
      ・季語で切ると中七下五は作者で「地球を廻す」は無理
      ・人間をちゃかしている
      ・現代の川柳

 金子先生評→ばかばかしい面白さも無い。とぼけてふざけた句




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