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あなたの俳句は世界をながめる窓
美しい気持ちを育てる苗畑
自分の歴史をきざむ部屋
まわりの人人へのおくりもの
編集発行人/川田由美子 表紙デザイン/長澤数美 カット/河野りえ
発行日 毎月10日 定価 1,000円
発行所 俳句十代 〒166-0022杉並区高円寺北4-26-18-302 川田由美子
TEL 03-6240-8186
俳句十代の見本誌は川田由美子までお申し込み下さい。
管理人はエンドウ竹丸です。

2010.1 175号
(チクマ秀版社刊『現代子ども俳句歳時記』より)
冬かもめ釣りする兄の上を飛ぶ 長田 香織 12才
「冬かもめ」は秋に日本へ渡ってきます。港や河口のあたりに群れています。ユリカモメや
セグロカモメなどがいます。兄の頭上で旋回(せんかい)しているのでしょうか。冬かもめの
白さが、寒さのなかにあって、いっそうまばゆく見えているのでしょう。「兄について思う
時、この光景がなぜか浮かんでくる」というような、どこか象徴的(しょうちょうてき)な感じ
のただよう「冬かもめ」の姿です。

とびらの句
おもちのえゆうほうになってだんすする 伴 和織
風の道雪がキラキラ光ってる 丸山たつき
冬になれわたしのねがい雪ふれよ 京徳 李乃
暗い夜でんきでてらす明日をね 関 千鶴
持久走吐く息白く冬景色 京徳 果音
つらいでしょ15年前あの時に 瀧原 茉友
もみじ落ち今はすっかり冬の道 阿南 伶
初詣月の光で街染まる 伊藤奈々美
届きそうミカンみたいなおつきさま 堀内 遥
つまんない森を見てたらリスの音 松崎 優佑
世の中の不況しみじみお年玉 池本 青海
流星群届かぬ思いの切なさよ 伊藤 礼
予想外年賀状の束初めての友 梅津 勇輝

石ならべ草ならべ
ねんがじょうなやんでだしておれいくる 尾揮 健一郎 九歳
ねんがじょうは、新しい年の始まりのあいさ
つです。だれにだそうかと考えるのは楽しいこ
とですが、だれにだして、だれにださないか、
それを決めるのは、なかなか難しいでしょう。
「なやんでだしておれいくる」は、「だそうかな、
やめようかな」と、なやんでだしたその人から
おれいのねんがじょうがとどいたということで
しょうか。「おれいくる」の、うれしい気持ち
やほっとしたようすが伝わってきました。
お正月買ったの犬のふくぶくろ 菊川 裕加 九歳
ふくぶくろは、新年の初売(はつう)りの時にいろいろ
な品物が入れられ、売られているふくろですね。
買えば福を呼ぶ「福ぶくろ」です。作者は犬の
ためのふくぶくろを買ったのでしょうか。(そ
れとも、犬のもようや犬に関係のあるふくぶく
ろ。また、本物の犬がふくぶくろとして売られ
ていたのでしょうか?)「犬のふくぶくろ」と
いうことばがおもしろいです。お正月のできご
とを、リズムに乗せて楽しく書いています。
寒い風私のパワー抜けていく 尾揮 実緒 十三歳
冬の季節風の北風や西風はとても冷たいで
す。体がちぎれそうな冷たさで吹きつけてきま
す。寒風(かんぷう)に吹かれて「私のパワー抜けていく」
という作者です。風は体温と体力をうばってい
きます。寒さで元気がなくなっていくようすが、
「私のパワー抜けていく」の言葉から見えてき
ます。まるで、風船の空気が抜けて、しゆーつ
としぼんでいくように、私の体からパワーが抜
けてしまったのでしょう。
白色(はくしょく)の銀河パレット筆進む 手鹿 治希 十三歳
白く光る銀河のようなパレットを手にして、
快調なペースで絵を描き進めているのでしょう
か。また、夜空に広がる銀河をひとつの大きな
パレットに見立てて、夜空を見上げながら大き
な絵を描く気分で、さまざまなことに想いをめ
ぐらせているようすも想像できました。「銀河
パレット」の言葉からは、ぐんぐん広がってい
く、宇宙の可能性のようなものが感じられまし
た。「筆進む」 が、きっぱりとした力強さを運
んできます。
星空は寒さとともにからださす 太田 栄示 十七歳
冬の夜空は空気が澄み渡ります。星々の輝き
はみがかれ、鋭い光を放っています。冬の星の
ことを、「凍星」(いてぼし)「荒星」(あらぼし)
とも言います。星空を見上げると、星の光に、
体がさされるようなのでしょう。寒さが痛い感じ
で体をつきさしてくるのと同じように、星の光も
鋭くとがって降ってくるのでしょう。澄んだ寒気
のなかで、作者の体の感覚も、いつもより鋭くな
っているのでしょう。冬の自然の厳しさを体で感
じている作者が見えてきました。

噴水公園
もみじ落ち今はすっかり冬の道 神奈川 阿南 伶 十三歳
初詣月の光で街染まる 静 岡 伊藤 奈々美 十三歳
風強いふぶきに舞って雪がとぶ 静 岡 太田 絢子 十三歳
寒い風私のパワー抜けていく 静 岡 尾澤 実緒 十三歳
年の暮無理をするなと無理を言う 神奈川 木島 寛貴 十三歳
白色(はくしょく)の銀河パレット筆進む 神奈川 手康 治希 十三歳
届きそうミカンみたいなおつきさま 静 岡 堀内 遥 十三歳
つまんない森を見てたらリスの音 神奈川 松崎 優佑 十二歳
目の前にひろがっている白い町 静 岡 山下 未来 十三歳
防寒着寒さ予防と風予防 神奈川 山本 尚 十二歳
三角帆
銀世界想像してみるふとんの中 静 岡 渥美 たお 十四歳
舞台裏空気張りつめお正月 神奈川 池本 月之輔 十九歳
世の中の不況しみじみお年玉 神奈川 池本 青海 十七歳
流星群届かぬ思いの切なさよ 神奈川 伊藤 乱 十六歳
予想外年賀状の束初めての友 北海道 梅揮 勇輝 十五歳
星空は寒さとともにからださす 静 岡 太田 栄示 十七歳
風がいたい肌がくずれて砂になる 静 岡 金子 菜末 十七歳
枯葉坂(かれは)崩れてみると体張る 神奈川 手鹿 知希 十六歳
ゆきがふったじめんがつるつるドテンとこけた 北海道 富山 響 十五歳
痛タタタ満員電車冬の朝 神奈川 山本 真衣 十六歳
魚口星雲
さむ空に夕富士の影美しき 神奈川 浅間雅人
無患子(むくろじ)の計らい継ぎて追い羽や 栃木 阿部恵美子
自然態ひと山越えた友の歌 神奈川 池本 美子
朝霧に雀白米に胡麻の粒 奈 良 磯田 武士
ふるふると冬きわまりて月ひとすじ 東 京 大西 はるか
見え隠れ吹雪がさらう揚けむりのむこう 北海道 大西 邑子
地下道へ枯葉引きつれ入りにけり 東 京 岡田 美佐子
銀杏の葉おしゃれ楽しむ烏の子 東 京 岡本 幸子
時止めて老舗の軒に冬の雨 千 乗 小高 千秋
落葉たち風のかたちに吊り上げられて 東 京 香川 メイ子
木枯らしをともに見送りそして迎える 長 崎 金丸 謙一郎
冬の星珈琲の香吸い込むごとし 岐 阜 川合 栄子
年の瀬に子と孫集(つど)いお餅つき 埼 玉 川田 晴源
弟の一周忌過ぐふきのとう 埼 玉 川田 よし
門柱に竹馬よりそう冬休み 茨 城 木村 苑子
我が町も紅葉(こうよう)かすむ遠き山 栃 木 草野 順子
水仙や凛と並んで我を観る 神奈川 久保寺 里登子
青い空黄色いいちょう浮かれ白 神奈川 斉藤 薫
こたつだし夢へのトンネルもぐりこむ 神奈川 佐川 小雪
東京が山になる朝銀杏降る 東 京 佐竹 樹郎
散歩道帽子吹き飛ぶ風強き 栃 木 清水 レン
冬晴れにはしゃぐ子らの長き影 神奈川 下釜 幸子
小春日の朱にまぶしい木守に 富山 関 英里奈
凧が揚煙り追い立て新年へ 大阪 関 正
従兄弟の子抱いて伯父貴となる三日 東 京 津野 利行
医療ドラマ明日は我が身ぞ蜜柑むく 神奈川 手鹿 美香
君いずこ元旦の満月(つき)に問いかけぬ 東 京 鴇矢 恵利子
寄り添ってツリーの灯りにゆるむ顔 大 阪 豊田 あゆみ
寒空にこんこん響く温かさ 兵 庫 豊田 絵梨奈
イヴに向け植え込み飾る山茶花たち 兵 庫 豊田 さやか
配られるティッシュも薄く年の暮れ 兵 庫 豊田 由美子
色変わりヒラヒラ踊るイチョウの葉 東 京 中村 太輔
年の瀬やほのかに香る水仙花 神奈川 中山 貞江
南・霰・小さな心駆け巡る 岐 阜 長江 克枝
天国にきこえてますかなごり雪 埼 玉 橋本 廣子
おいしいねふくらむおもち浮かぶ風 栃 木 伴 陽子
吹き寄せし葉形いろいろいずこより 福 井 北條千恵子
蝋梅(ろうばい)や異国の人と見あげたり 兵 庫 松浦 弥生
お正月マッチ棒みたいな芽がふいて 長 野 丸山 めぐみ
はく息の向こうに見える笑みの暖(だん) 東 京 三木 佳織
白鳳のみほとけ寂と夕紅葉 東 京 矢田 敬子
毛糸編む色とりどりの思い出と 岐 阜 吉田 江津子
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