金 子 兜 太

                                     
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2010年1月16日(土)東京例会         TOP BACK         


句会参加者

例会三賞のご褒美

大賞の篠田さん

大賞の柴田さん

前衛賞の井上さん

句会中の先生


 新年初めての句会、103句もあり新しい句会参加者が増えました。
18才の若い方も。例会三賞の発表と句会で時間が足りなく先生の講評は
駆け足でした。三賞は後ほど海程に掲載されます。管理人endo





  マスクのわれに職失いし人の笑み     金子兜太



  秀逸句 (良き表現は青至らぬ表現は赤です。ご参考に)


 寒暁やパンのみに生きパン屋の灯 (高点句)  中村 晋

 参加者評→☆「パンのみに生きるにあらず」の逆の面白さ
      ☆日常の真摯さ  ☆良さが不明  ☆中七がくどい
      ☆観念的な面白さをひっくり返した面白さはあるがガツンと
      来ない
      ☆設定がお誂え


 金子先生評→中七が生々しいく語感鋭し


 逝く年の手品師ひよこに餌をやり (高点句)  黒岡 洋子

 金子先生評→手法として新鮮味が薄いが手品師の実態が見える
 



 顔中ヨーグルト発酵す  斉院志津子

 金子先生評→今日の好きな句で子供の顔が見えて大胆な表現。
      牧歌的な心情。



 日溜りの家遠浅の父母のような   金子斐子
 
 金子先生評→「遠浅」が効いている



 粗方の神は水から初日の出    金井 充
 
 金子先生評→平凡の非凡
 


 梟は錆ついた木曜のかけら  徳澤 姫代
 
 金子先生評→木曜感、一週間の終わりの感じで感覚が好き



 セーターの伸びし袖口睡魔くる   古館泰子
 
 金子先生評→青字の丁寧な捉え方は良いがやや普通な句



 子育てのてのひらって蕪洗うよう   太高洋子
 
 金子先生評→感覚が深く好きな句



 月光しみる外套の列熊の飢え    日高 玲

 金子先生評→赤字の部分が観念的



 冬陽にねむる駱駝のように夫の靴 (高点句) 室田 洋子
 
 参加者評→☆上五がまだるこしいと思ったがゆったりしたリズムが良い
      ☆中七に親しみ
      ☆駱駝との組み合わせが印象的
      ☆駱駝が素晴らしい、靴にユーモア有り
      ☆「ように」ではなく「ような」では
      ☆「ように」だと靴の型だけではなく夫が見えるが季語くどし
      ☆夫と駱駝の同質感良し


 金子先生評→「ように」で駱駝が生きてくる。ねむるも省略出来ない。
       気持ちよくあったかいが作り物の感じ否めず。「駱駝」の
       選択がまだまだ。




 葱焼ける野の匂いかな懐    篠田悦子
 
 金子先生評→懐と二物のぶっつけ方が好き



 鴎はいつも旅への思い七日粥   伊藤淳子

 金子先生評→鴎を主体にしたのが良い



 冬ひばり汝よ戦の語り部に    遠藤秀子

 金子先生評→中身は平凡だか「汝よ」という呼びかけで取れた



 寒の鯉よべの大火事内蔵す   游 火

 金子先生評→「内蔵す」で生きた句



 人日(じんにち)のいずれも遠き木とけむり   塩野谷 仁

 金子先生評→人日すぎて漠然としすぎ



 空瓶の透明サウンドレノンの忌    安西 篤

 金子先生評→中身の感覚がわかった



 自然(じねん)なり西に満月初日の出  岡崎 万寿

 金子先生評→去年の大晦日は満月で珍しい。ありのまま書いて
       風景が面白い






  次点句 (良き表現は青至らぬ表現は赤です。ご参考に)


 紙漉の水音いつしか人寄せて  一ノ瀬タカ子

 金子先生評→下五で人が感じられが素朴


 初日の出人生百を視野に置く   高橋明江

 金子先生評→面白くない内容


 着ぶくれのせつなさに似て喪の心   河原珠美
 
 金子先生評→上五で切るのか中七で切るのか書き方が不十分


 飲食とふ昏きいとなみ元旦も  志摩京子

 金子先生評→句が出来合い


 風花やすらすらすらっと肉筆   茂里美絵

 金子先生評→なかなかの感覚だが良さが解らず


 白息や何ゆえこの身病みやすき  小長井和子
 
 金子先生評→中身が重なり過ぎ。何ゆえが新鮮


 着ぶくれて女ひとりの土偶展  尾形ゆきを

 金子先生評→上五がつまらないが中七良し


 テレビ消し七草粥を食む家族  上脇すみ子

 金子先生評→テレビ消しで感じるものはあるが「食む」がつまらない


 ひそやかに亡父(ちち)を語る実南天    伊藤 和
 
 金子先生評→下五が平凡


 エレベーターの皆無口なる元旦よ   越智友亮

 金子先生評→題材が普通のこと


 冬の光合掌土偶見て帰る  藤江 瑞

 金子先生評→感覚はいいが内容単純


 寒蜆実をひとつづつ老の  伊藤雅彦
 
 金子先生評→中が観念的


 草に耐えし追憶七日粥  植田郁一

 金子先生評→上五が不十分


 冬鴎ふといち日の木椅子かな   田口満代子

 金子先生評→下五が安易に妥協した


 日向ぼこの木あり簡単な質問あり  芹沢愛子
 
 金子先生評→「日向ぼこの木」がややこしい


 逝く人のかくも愛(いと)しく見る枯野   赤崎裕一
 
 金子先生評→中七が甘い


 冷蔵庫に初心(うぶ)なる母の毛糸玉  木下ようこ

 金子先生評→初心な毛糸玉の内容を知りたい


 橙は実をたれ犬は駆け回り  菅原 春み
 
 金子先生評→「たれ」が雑だか風景面白し


 のら猫のの金眼銀眼やお年玉  井上広美

 金子先生評→季語との組み合わせは面白い


 雪椿(ひよ)来てゆるむ膝がしら   児玉悦子
 
 金子先生評→季語を工夫


 奔馬かつて開拓地にも星流れ    宇井十間

 金子先生評→上五が意気込みすぎる、開拓地とタブル。




 話題作は(高点句)です


 母に添い寝雪の深井戸のぞくよう (高点句)

 参加者評→☆中七に心情
      ☆下五が響くが作り物の感
      ☆上五と中七のつながりは解るが「雪」の効果はどうか
      ☆中七の喩えがくどい

      
 金子先生評→問題句とした。母に添い寝で母の状態が不明なのでもう
       少し解るように書く。もったいない句。


 
冬蜂もう動かず鍵穴のようなり

 参加者評→☆鍵穴の表現が面白い
      ☆瞬間的に面白い表現と思い取った
      ☆比喩が弱い
      ☆鍵穴という表現が不十分


 金子先生評→鍵穴がピンとこず、好き嫌いで取る句




 
 金子先生を満足させる句はなかなか出ないですね。海程から佳き句が
 生まれる年でありますように。
  
 
秩父俳句道場は4/10~12日です。 管理人endo

 



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