金 子 兜 太

                                 
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ぶるうまりん  定価1,000円

発行所     〒255-0001神奈川県大磯町高麗2-3-34
        ぶるうまりん俳句会
編集・発行人  須藤徹
電話      0463-61-6014 
振替      00250-5-61161

句会 ・ぶるうまりん大磯句会 原則毎月第4日曜日午後1時から
    大磯町立図書館 0463-61-3002 JR大磯駅下車2分

   ・ぶるうまりん東京句会 原則毎月第3土曜日午後1時30分から
    現代俳句協会分室 03-3832-8190
    地下鉄銀座線末広町4番出口より徒歩2分

   ・ぶるうまんてん大磯句会 原則毎月第1日曜日正午から
    大磯町立図書館 0463-61-3002  JR大磯駅下車2分

     句会問い合わせは須藤さんまで

    ブログ 須藤徹 「渚のことば





 ふるうまりん2009/12  13号


 
  雨滴抄   須藤徹抄出

 夕焼くる尾張野つひに晩年なり    後藤 昌治

 日々溶けるだけの人生菜種梅雨    片岡 秀樹

 死は夜の雨の茗荷の匂ひがする    小倉 康雄

 陽炎を飲みこんでいる鰐の口     山田 千里 

 鹿は檸檬に近づき天才なる      浅井 一邦

 陰極から陽極「あっ」椿がおちた   平佐 和子

 まっすぐまがっている國がある    野谷 真治

 三和土の暗がり筍のほとんどは愚直  吹野 仁子

 国家機密ののった盆ティータイムだ  土江 香子

 浄土にも木戸銭のあり菖蒲園     高野 尚志

 寒茜飛行機雲の交差する       村木まゆみ

 知恵の輪のおしゃベり止まぬ春の宵  及川木栄子

 鍵盤から窓がこぼるる夏真昼     齋藤  泉 

 存在論の蛸を生かせば水は死に    二上 貴夫

 青葉潮飛行船飛ぶリハビリ室     成川 寒苦
 
  
 
 


  利休鼠の空   須藤 徹
 

 丹田と鎖骨が梅雨に曲がり行く

 脱衣場の天井高き欝の夏

 魚降る屋根にノッポの王子さま

 緑に雨黒手帳に頬紅を

 ケロリン桶尻が半分笑ってる

 ぼるどー液技師百人の神隠し

 銃口へ無色無臭の黒楊羽

 夏の渚風の柾目を掬う霊

 核不拡散路地に涼しき染物屋

 ぽっくり病焼け棒杭のセルを着て

 利休鼠の空はきつね目星祭

 平均台魑魅を毀す桐の花

 梅雨に入る唐獅子像は檻の中

 浮いてこいひっかりこまたきわーいわーい

 空蝉に白くかぶせる鉄兜

 綿菓子機土用へ非在を膨らませ

 シェーカーに日蝕を入れ六分三十秒攻め

 眼科出て瓜実顔の死にゆくに

 みずすまし話体のようにダンスする

 直角に私を畳む雨乞かな

 打水や天心に飛ぶ耳かき店

 かき氷機の構造を哭くあっち系

 骨壷の上大西日が正座して

 青葉潮砦のようにジンの瓶

 左に富士右に仏壇立版古

 仏壇の奥や西日は棒立ちに

 羅は形而上的海鳴りだった

 ゴーグルの兵真四角に夏草刈る

 西麻布の陰として空蝉を揉み

 音のあと月を押し出す戸袋よ

 青蘆や闇に唇寄せ水を吊る

 スミヤキストQの冒険灸を据え

 原潜がエステサロンの秋灯へ

 偽捕手の指が潰せる蟻の数

 政変や母子夕立を白く聴き

 月日や空へ流るる酒匂川

 贖罪よ花野に澄めるピアノマン

 穴まどい肚にデリダが胡坐かく

 ダスティン・ホフマンになれなかったよ 秋の坂道

 みどりごの素足地球と接吻す

 高感度フィルムの腸の出てくる紅葉狩

 歯を磨き辰巳芸者は濡羽色

 清澄白河駅三角筋が笑い出す

 小鳥来る処刑の後の膕に

 へらへらと尻の花野へ棒が憑く

 禁色へあるかいっくすまいるの蜻蛉燃え

 自転車の発電音へ稲光

 葛嵐ズボンの上のスカートは

 登高やジーパンの窓鳶色に

 人間の余白おそろし芒原






 ブログ「渚のことば」より転載

 『ぶるうまりん』13号の内容の詳細は、本誌を見ていただきたいが、幕末から
明治にかけての俳諧(俳句)動向に詳しい専門研究家(女性)にもご執筆いただき、
また渚の人は社団法人日本ペンクラブの「電子文藝館」のために執筆した、「現代
俳句の起源」(400字約60枚/2009年6月発表)を、同事務局のご許可をいただき、転
載することにしている。さらには11月1日に大磯で、「俳句W,W.W.」の後続として
「ぶるうまうんてん歌仙」が立ち上がり、幸いこれが好評であったので、手前味噌
ながら、小会「ぶるうまりん俳句会」は勢いづき、燃えている。しかし「歌仙」
(連句)はなかなか難関なため、相当勉強を行い、試行錯誤を繰返しながら、地道
にステップを登っていくしかない。大事なことは、「歌仙」(連句)と俳句が、相
乗効果で上向くことだろう。だとすれば、当たり前のことではあるけれど、渚の人
も含めて連衆すべてが、やはり二倍三倍の努力を惜しむべきではない。何にせよ、
道は決して平坦ではないのだから…。

  うくすつぬふむゆるうとうとうげふゆ  須藤 徹







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